『法華経』の譬諭品第三にも次のような御文があります。
初説三乗。引導衆生。然後但以大乗。而度脱之。何以故。如来。有無量智慧。力無所畏。諸法之蔵。能与一切衆生。大乗之法。但不尽能受。舎利弗。以是因縁。当知諸仏。方便力故。於一仏乗。分別三説。
【現代語訳】
初め三乗を説きて衆生を引導し、しかして後、但、大乗のみをもって、これを度脱するなり。何をもっての故なりや。如来には無量の智慧・力・無所畏の諸法の蔵有りて、能く一切衆生に大乗の法を与うるに、但し、尽くは受くること能わざればなり。舎利弗よ、この因縁をもって、当に知るべし、諸仏は方便力の故に、一仏乗において、分別して三と説きたもうなり。
雖復教詔。 而不信受。於諸欲染。貪著深故。 以是方便。為説三乘。令諸衆生。 知三界苦。開示演説。出世間道。
【現代語訳】
また教え詔すと雖も、しかも信受せず、諸の欲染において、貪著すること深きが故なり。ここをもって方便して、ために三乗を説きて、諸の衆生をして、三界の苦を知らしめ、出世間の道を、開示し演説するなり。
これらの文章から開示悟入とは、「三乗に開いて教えを示し、悟らせ一仏乗に入らせる」ということが読み取れます。
法華経が開三顕一と言われる所以です。
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