Kさん
昨日は長時間にわたって、新しいアンプの音色を楽しませていただきありがとうございました。
一言でその音色についていわせてもらうならば、伸びやかに音楽が鳴っているといえばよいのでしょうか、あのコンパクトなサイズのアンプから、これほどゆったりと開放的に音が出ているとは、なかなか信じがたいものがありました。
アンプを大型化すればそれはそれなりに効果はあるのでしょう。けれども、それはKさんのスタイルには合わないでしょうし、PX4アンプはそういう意味で、必要にして十分なものであると拝察いたしました。
オーデイオチューブラボから借りていた前回の6RA6アンプは極めてフラットなナチュラル感が魅力的でしたが、今回はそれにブリリアントな輝きや艶が加わったという感じで、私の好みとも大きく一致するところでした。
様々な出力管を取り換えて音色を確認しましたが、私の感じ取ったものとKさんの説明とがピタリと一致していたことも私にとってはうれしいことでした。
とりわけPX4と最後のRE604は微妙な違いはあるものの甲乙つけがたい鳴りっぷりでした。
整流管の聴き比べでは英国製5R4GYが聞き手とオケとの距離感が上手く出ていて好ましく思えました。
悪いところがあったなら遠慮なく書いてほしいとのことでしたが、私の装置でも低域のふくらみが気になっているところで(これは多くのオーデイオ人共通の課題でもあるでしょう)、生のオーケストラを聞いてみるとどうしてもオーデイオでは誇張感が目立ってしまいます。
私の場合は、アンプの電源をチョークインプット方式にしてかなり改善できたと思っていますし、またインシュレーターやアンプ、スピーカーの置き方でより良い方向に進んでいけるように感じています。
私の尊敬する九州在住のH先生(宮崎真空管アンプ愛好会)は、”チョークインプット方式の大切さを、オーデイオ誌などでほとんど触れていないのは何故だろう”と不思議がっておられましたが、それはメーカーの営業上の問題もあるだろうし、大掛かりなアンプになっては困るというニーズもあるのではと、私は思っています。このあたりのことについてアンプ製作に携わっている技術者の方にもうかがってみたいものと思っております。
アンプの音を決めるのは、まず電源部であり、電源をしっかりさせれば低域のふくらみは改善される、しかしそこをしっかりさせようとすると、どうしてもアンプが大型化してしまう、この辺のジレンマをどうバランスをとるかが大きな課題だと思っております。
ですから、あれだけコンパクトなサイズであれほど豊かな響き(しかも出力管によって千変万化する音色)が出せるこのPX4アンプは、極めて優秀なものといえるのではないでしょうか。
長くなりましたが、Kさんがこの至福の時を十分に楽しまれることを念じております。
Sigetaさん
昨日はご来訪いただきありがとうございました。
Sigetaさんが愛用されている超ド級機器と比較するとおもちゃみたいなものですが、オーディオルームがいつも手狭なこともあり、身の丈に見合ったコンパクトな機器を美しく感じるようになりました。
今回のアンプも私にしてみると大き過ぎず、また数種類の出力管が楽しめるという十分な機能を備えて満足できるものですし、古典球が醸し出す音質の方も気に入っております。
そろそろ長年取り組んでおりましたオーディオも終着駅に近づいておりますが、これからはますます音楽を楽しんで行きたいと考えております。