勝手に!広瀬香美楽曲研究会

「歌ってみた歌われてみた」を語る / 42

45 コメント
views
1 フォロー
42
ももっち 2021/03/13 (土) 00:35:57

<再ブレーク盤>広瀬香美『歌ってみた 歌われてみた』自ら歌ったり、自作をゲストに歌わせたり
今や動画サイトでもテレビのバラエティー番組でも大人気の広瀬香美。本作は、まさに2020年代型の音楽と言ってよいだろう。

 序盤5曲は『奏(かなで)』や『Pretender』など人気曲をカバー。『WOW WAR TONIGHT』はまるでミュージカルのラストのように、コミックソングの『もしかしてだけど』もクールな楽曲に、いずれも大きく変貌を遂げている。ピアノ伴奏と彼女の歌声で随分と華やかになるのも凄い。

 中盤の5曲はゲストを迎えて自身の楽曲をカバー。『ゲレンデがとけるほど恋したい』にて、『女々しくて』さながらに“絶好調!絶好調!絶好調!”と叫ぶ鬼龍院翔も、『DEAR...again』にてクリーミーな声で愛しさを高めるchayも上手い。『ロマンスの神様』を歌う百田夏菜子は、原曲に登場する女性の打算を愛敬で見事に隠しているし、「冬の女王と夏の帝王」など大幅に歌詞を追加してHAN-KUNが参加した『promise』も、冬こそ恋愛は激アツなのだと教えられる。とにかく、適材適所なシンガーの起用に感心する。

 終盤の7曲は動画での即興や、TV番組企画ソング集。ハイトーンが売りだと連呼する『30年』や、音楽さえあれば満足なのだと歌う『HENTAI』など、いつもの緻密さは無いがそこが面白い。小学4年の女子の恋心に広瀬が曲をつけた『心の音』は、人を想う純粋な歌詞により、広瀬の新たな一面が垣間見える。これもコラボの賜物だ。

 本作を通して聴けば、自分が楽しみながら、相手を楽しませることが、こんなに素晴らしい事なのかと、きっと開眼するはず。

(ビクター・3500円+税)=臼井孝

通報 ...