雑火屋
Colt_M1877
2016/03/16 (水) 22:37:10
走った。疑われるから。
走った。私の所為になるから。
何も見ずに、何も考えずに、只々走り続けた。
あの場所では地面や木、空さえも「お前が殺したんだ」と言っている気がした。
それは嘘だ。嘘なのに、あそこに居れば居るほどそれが本当に思えてしまう。
大分遠くまで来た。
しかし未だあの光景は脳に映っている。
もっと離れなければいけない。
記録にも残らなくなるまで走らなければいけないのに、
「おっと、ここは通行止めだ」
足を止めた。
目の前には槍兵。
足を引いた。
目の前には鋭い槍。
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